本文へスキップ

2017.03.03

ワーキング・ペーパー(17-002E) 「Debt-Ridden Borrowers and Economic Slowdown」

本稿はワーキング・ペーパーです

 通常の景気後退と比べて、金融危機後は経済成長率が長期間低水準の状態が続くことが知られており、近年では金融危機を引き金にして欧米諸国の経済が長期停滞に陥ったのではないかという可能性が危惧されている。日本においても、バブル崩壊後に失われた20年といった低成長を経験している。本研究では、こうした金融危機と低成長のメカニズムを明らかにすることを目的としており、特に金融危機によって生じた過剰債務による悪影響が低成長・低生産性の原因と考えている。こうした問題意識に基づいて内生的な借入制約を導入した内生的経済成長モデルを新たに構築した。金融危機によって返済できない程の莫大な過剰債務を企業が負ってしまうとその企業の借入制約が永続的に厳しくなることを示した。債務の水準によって借入制約の厳しさが変わり得ることを示したのは先行研究にない重要な特徴となっている。過剰債務に陥った企業の割合が大きいほど、債務を負っていない企業の借入も困難になり、十分な運転資金の借入が受けられない結果、生産や研究開発投資の低迷が長期化してしまう。低生産・低成長から脱するには、早期の不良債権処理が必要となる。




旧タイトル:Debt-Ridden Borrowers and Productivity Slowdownを大幅に改訂

ワーキングペーパー一覧へもどる