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2015.12.04

第20回PAC政策シミュレーション「新安保法制はシームレスか?」概要報告と評価

  • 宮家 邦彦
  • 研究主幹
    宮家 邦彦
  • [研究分野]
    外交・安全保障

1.概要

 2015年7月4~5日、当研究所は第20回PAC政策シミュレーション「新安保法制はシームレスか?」を実施した。第189回国会(2015年通常国会)で議論された安全保障法制は、「平和安全保障法制整備法」(10本の法律改正をパッケージ)と「国際平和支援法」(新規立法)からなる膨大な内容となっている。シミュレーション実施当時は、衆院特別委員会で安保法制をめぐり与野党が鋭く対立し、複雑な法案内容に世論の理解も深まらない状況だった。

 新安保法制の目的は「切れ目のない」(シームレスな)安全保障体制を整備することである。国会での与野党の攻防は、安保法制(特に集団的自衛権の限定的行使)の合憲・違憲性が中心だった。しかし、安全保障の政策論として問われるべきは、従来の安保体制の「切れ目」の弊害を把握し、新安保法制によってこれらの弊害が実際にどれほど克服できるかである。

 そこで本政策シミュレーションでは、日本政府が平和安全保障法制(2015年7月時点での政府提出法案)を可決・施行した場合を想定し、以下の二つの架空の安全保障上の事案を取り上げ、本当に「切れ目のない」安全保障体制を実現しているのかを検証した。第一は、南シナ海におけるグレーゾーン事態から徐々に緊張が高まっていく事態、第二はアフリカでの国際平和協力活動(PKO)で生じる様々な事態への対応である。

 本シミュレーションには、現役官僚、研究者、企業関係者、ジャーナリストなど約45名が参加し、2日間の演習を通じて多くの教訓と課題が抽出された。シミュレーションのチームとプレイヤーとしては、日本政府(首相官邸・外務省・防衛省)、米国政府、某国、パラダナオ共和国(南シナ海に位置する架空の国家)、オーストラリア、ASEAN 、フリケニア共和国(アフリカ大陸の架空の国家)、メディア(日本メディア・国際メディア)を設定した。

 各プレイヤーは、7月4日(土)午前から翌5日(日)午前までの実質24時間にわたり、日本を取り巻く環境が刻々と変化する中で、情勢を把握し、政策的対応を考え、外交交渉、合意形成、報道などの具体的対応を行った。また5日午前には、衆議院の特別委員会を開催し、日本政府が提案した「重要影響事態」及び「存立危機事態」の審議、本会議での国会承認のシミュレーションを実施した。・・・

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第20回 PAC政策シミュレーション「新安保法制はシームレスか?」概要報告と評価PDF:620.6 KB

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