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2010.09.24

第4回PAC政策シミュレーション「イラン核開発疑惑」報告書

 今回のシミュレーションの主軸は、イランが濃度60%のウラン製造に成功したと発表したことと、その発表に対する各国の対応であった。米国・イスラエルはイランの発表に対し、「統一された脅威認識」を明らかにしたが、具体的な対応策をめぐっては、単独行動も辞さないとするイスラエルを、多国間による協調を前提とする米国が説得するという構図が明らかになった。同時に米国は、中東地域における軍事面での関与を強め、イスラエルを軍事力で支援する可能性も匂わせていた。
 一方、日本、中国、ロシアの対応策は、当初明確ではなかった。日本は、「リアリズム外交の展開」を言明したが、安保理議長国として「しかるべき時期に」安保理を招集する旨と、日米の共同歩調・エネルギー安定供給の重要性とを発表するにとどまった。中国は、イランの行動を暗に非難しただけであったし、ロシアは、「国際的な合意の履行」と「周辺国の懸念に敏感であること」を表明したものの、具体的な行動に移ることはしなかった。そうした中でイランは、ウランの濃度を80%まで高める可能性を示唆して、エスカレーション戦略を採った。これに即座に反応したのがイスラエルである。イスラエルは、外相談話でイランの行動を激しく非難するとともに、単独軍事行動を採る可能性を示唆した。
 こうした状況は、マーケットにも大きな影響を及ぼし、急速な円高と石油価格の高騰が進んだ。各国は、自国の安全保障と結び付けて、石油の安定供給を考える必要に迫られた。たとえば、日本・EU・ロシアが合意した、「ユーラシアエネルギーパッケージ構想」は、3者が安定的な資源確保を模索した結果で・・・・


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第4回PAC政策シミュレーション「イラン核開発疑惑」報告書PDF:966.7 KB

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