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2013.10.11

海外の医療事業体の成長戦略とM&A

医学書院「病院」 72巻7号掲載

  • 松山 幸弘
  • 研究主幹
    松山 幸弘
  • [研究分野]
    財政・社会保障

 医療が21 世紀の世界経済成長のエンジンであることは衆目の一致するところである.再生医療をはじめとする革新的医療技術により新たな医療サービスが登場していることに加え,中国,東南アジア,中東,アフリカなど欧米先進諸国以外の国々でも医療提供体制整備のための投資が高水準で続くからである.本稿では,その担い手である医療事業体のM&A 海外事情を伝える.なお,病院M&A という用語を使わないのは,海外でニュースになっているM&A では複数の医療施設群を経営する医療事業体間のM&A が主流だからである.


米国

 図1 は,米国における医療事業体M&A の件数と金額の推移である.2010 年以降M&A が活発化したことが見てとれる.2011 年は86 件,79 億ドルであった.その背景には,オバマ大統領の医療改革の影響を自らの成長戦略に取り込むため各事業体が事業ポートフォリオの見直しを行っているという事情がある.

 その全体像を理解するためには,米国の病院の経営形態構成を知る必要がある.米国の病院数は2011 年時点で5724 である.その内訳は,民間非営利病院2903,民間株式会社病院1025, 州・自治体立病院1045,連邦立病院208,非連邦立精神病院421,その他122.日本では米国の医療提供体制の中心は株式会社病院と誤解している人が未だに多い.しかし事実は,民間非営利病院と自治体病院,連邦立病院が73%を占めており,その多くが急性期から外来,在宅,リハビリ,介護に至るまで全てのケアサービスを品揃えしたIHN(Integrated Healthcare Network)と略称されるセーフティネット医療事業体を形成しているのである.・・・


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海外の医療事業体の成長戦略とM&APDF:377.7 KB

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