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2017年 研究領域・テーマ:政治・経済

農業政策

プロジェクトリーダー
プロジェクトの目的 農業の国際競争力を十分に発揮していくことを妨げてきた要因に農政がある。その根幹には、①食管制度から始まる価格支持政策に過度に依存した農家所得保護政策、②農地改革の成果だった小規模自作農の維持だけを念頭に置き、農地の流動化による農業の規模拡大を阻害してきた農地制度、③戦後政治上最大の圧力団体として米価闘争を主導し、農家の兼業化の下で脱農化によって発展したJA農協を支えてきた農協制度の3本の柱がある。これらについては改革の方向が見え始めているが、まだ十分ではない。減反政策のように、農業の発展や食料安全保障の見地からは、改悪が進んでいるものもある。輸出競争力のある強い農業を実現するための農政改革に関する骨太の提言を行っていく。さらに、IT技術やバイオテクノロジーの導入・活用、企業的な経営技術の活用などにより、農業構造を改革しようとする動きや流れを支援することによって、農業経営の近代化・合理化を図り、農業の国際競争力を強化し、輸出市場の開拓を推進する方策を研究する。
プロジェクトの概要 全国各地の農業者や農産物加工・流通業者等と意見交換し、農業現場の状況を踏まえながら、経済学的な基礎の上に立って、価格支持政策、農地政策、農協政策という農政の大きな柱を中心に、提言を行う。
IT技術やバイオテクノロジーなどの先進技術の導入・活用による日本農業発展の可能性とそれに必要な政策的な枠組みを、オランダ、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドなど先進国での取り組み事例なども調査しながら、検討する。

農政と医療政策等を通じた日本の経済政策の問題点の分析

プロジェクトリーダー
プロジェクトの目的 農業と医療に関する政策は、異なる省庁によって推進されてきたにもかかわらず、米価政策と診療報酬政策、減反と病床規制、株式会社の参入禁止など、共通するところが多い。また、他の行政分野においても、建設業界の談合、銀行の護送船団方式や最低賃金制など、供給制限を伴った「価格支持政策」によって、関係者や業界の所得や利益を維持してきた面もある。しかも、これらの政策は、プラス・サムというよりゼロ・サム思考で形成されている面が強い。既得権益団体が、規制緩和や貿易自由化に抵抗するのは、パイが拡大するのではなく縮小することを恐れるためである。これら異なる分野の政策を分析することにより、日本の経済政策の形成過程の問題点を明らかにし、それを除去するための方法を検討する。
プロジェクトの概要 各分野の研究者とインターディシプリナリーに交流することにより、日本の経済政策の共通する問題点を分析する。

林業政策

プロジェクトリーダー
プロジェクトの目的 我が国の国土の3分の2を占める森林は、水資源の涵養や洪水の防止などの役割を果たてきたとともに、地球温暖化ガスの吸収源としても注目されるようになっている。しかし、国産材時代を迎えたといわれるにもかかわらず、木材価格の低迷等によって林業が衰退し、間伐など森林の適切な処理が行われないため、これらの外部経済機能は十分に達成されているとはいえない。林業問題について多面的な角度から分析するとともに、林業再生のための条件とそのために必要な政策を研究する。
プロジェクトの概要 林業従事者、林業政策の担当者および研究者と意見交換を行いながら、統計データを踏まえ、政策提言を行う。

世界の通商交渉の分析

プロジェクトリーダー
プロジェクトの目的 アメリカのトランプ新大統領がアメリカはTPPに参加しないと表明したことにより、現状のTPP協定の発効はほぼ不可能となった。にもかかわらず、日本政府はTPP協定発効に向けてアメリカ政府を説得するのだという基本方針を堅持し、アメリカ抜きのTPP協定妥結に否定的な態度をとっている。また、RCEPへの関心が高まっているが、これはTPPを代替できるほどのレベルの高い自由貿易協定とはなりえない。TPP交渉で協定化した国際通商や投資に関する新たなルールや規律は失われようとしている。TPP協定の評価と農業への効果については「TPPが日本農業を強くする」(日本経済新聞出版社)を出版したところであるが、今後の国際通商問題について、分析・提言を行う。
プロジェクトの概要 国内外の交渉担当者、シンクタンク、国際経済学及び国際経済法の研究者と意見交換を行い、これを踏まえて今後の通商交渉のあり方について調査・分析を行う。

中国経済分析

プロジェクトリーダー
プロジェクトの目的 中国政府は構造改革の実行を最重要課題と位置付けている一方、第13次5か年計画期間の平均成長率の目標を6.5%とした。重工業を中心とする過剰設備の削減、不動産の過剰在庫の削減など構造改革を積極的に推進すれば、企業の倒産や失業の発生を招き、投資や消費にマイナスのインパクトが生じ、成長率目標の達成が難しくなるというジレンマに陥っている。習近平政権は2017年秋の党大会で決まる人事も視野に置きながら、これらの政策目標の間のバランスのとり方に腐心している。
足許の中国経済は引き続き雇用、物価とも安定を保持しているほか、財政収支もほぼ均衡しており、短期的には中国経済の失速リスクは小さい。しかし、上記のジレンマに直面する状況下、構造改革の実施が遅れれば、その悪影響が数年後に表面化し、経済停滞が長期化するリスクが高まる。そうした観点から中国政府の経済政策運営の中身を分析し、中長期的なリスクの大きさやそのインパクトを予想する。
この間、日本以外の先進各国は中国国内市場の拡大持続を展望し、最近対中直接投資を増加させており、近い将来日本企業も他の先進国の企業に追随する可能性が考えられる。また、中国から日本へのインバウンドの流れが続くことも見込まれる。これらの日中間双方向の経済交流の動きに着目するとともに、日本経済へのインパクトを分析する。
そうした問題意識に立ち、政策・企業経営に携わる人々に対し、政策・経営判断に役立つ中国経済、外交・安全保障に関するタイムリーかつ正確な情報やアイデアを提供し、日中両国の相互理解・信頼の促進を通じてウィン・ウィン関係の構築に貢献することを目指す。
プロジェクトの概要 定期的な中国出張による現地取材をベースに、中国の政府関係者・学者・エコノミスト、中国現地の日本企業等信頼できる筋から正確かつタイムリーな情報収集に努める。それらの情報を基に、マクロ経済、地域経済、産業別動向、金融動向、国有企業改革の進展状況等を総合的に整理し、国内政治動向や日中関係も加味し、習近平体制下で構造改革に挑む中国経済の実態および日中経済関係をわかりやすく分析する。

Elan Vital for Japan

プロジェクトリーダー
プロジェクトメンバー  ・   ・ 
外部協力メンバー 玉田 俊平太(関西学院大学経営戦略研究科副研究科長)、Michael Cousmano (Sloan Management Review Distinguished Professor, MIT Sloan School of Management)、Angela Joo-Hyun Kang (CEO, Global Competitiveness Empowerment Forum (GCEF))
プロジェクトの目的 研究3年目の集大成を行う。日本経済のマクロ・レベル及びミクロ・レベル分析を行う。マクロ・レベルでは、日本の成長戦略と日本型社会契約論を検討する。ミクロ・レベルでは、R&D戦略、CSR活動、人材開発、危機管理について研究する。
プロジェクトの概要 栗原Unitの活動におけるフラッグシップ的活動である。グローバルな活動が、政治・経済・社会・技術的に多元化し、また関連する主体も、国家や超国家機関、また多国籍業に加え、更にはグローバルなNGO等が絡んで多層化し、世界の政治経済動向は、一段と複雑な様相を示している。こうしたなか、出来るだけ分かり易い切り口で考察を進めて行く。①Innovation, ②CSR、③人材開発に関してモノグラフを発表。

東アジアの長期情勢に関する分析・評価

プロジェクトリーダー
プロジェクトメンバー  ・   ・ 
外部協力メンバー 客員研究員 伊藤 俊幸、竹澤 理絵
プロジェクトの目的 2050年までの東アジアにおける大国間の関係の長期的趨勢について、とくに大国間の攻防といわれるような米中間の対立・競争についての戦略的趨勢を中心に、総合的に分析・評価する。こうした研究により、東アジアの長期情勢の特徴を導出するとともに、東アジアの国際関係の安定化の方途を探る。
プロジェクトの概要 月一回程度の勉強会の場を利用し、東アジアの長期的趨勢について、経済的、政治的、社会的変化およびそれらの変化が中長期的に東アジアの国際関係に与える影響について議論を行う。また、当研究所にて、1年間の成果を踏まえて議論を行う、東アジア長期情勢ワークショップを開催する。

中国の銀行制度改革と資本市場の育成

プロジェクトリーダー
プロジェクトの目的 中国において経済成長の減速、過剰生産能力の調整、金融自由化の進展など、同国銀行セクターを巡る環境が厳しさを増す中で、銀行が経済成長に必要な資金を効率的に提供してゆけるか否かを分析・検討する。中国では、銀行セクターへのリスク集中を緩和すべく、資本市場育成に向けた努力も続けられているが、その進展状況を確認し、市場の発展を阻害している要因を洗い出し、改善への提言を試みる。
プロジェクトの概要 (1)中国政府及び各金融機関の公表資料や金融統計等を収集・整理し、金融機関の財務内容及び収益動向等を分析し、同国金融機関及び監督当局の金融リスク管理能力強化に資する提言を試みる。
(2)中国の主要商業銀行につき、コーポレートガバナンス面の改革に関する評価を試みる。
(3)政策性銀行及び株式上場後の郵政貯蓄銀行の業務展開動向を整理する。
(4)社債発行市場の問題点を整理し、その改善に向けた提言を試みる。
(5)金利の自由化及び資本取引規制の緩和プロセスにおける留意点を、国際比較を交えて整理する。
研究課程において、中間報告の実施やワーキングペーパーの公表を通じ、有識者にコメントを求める。また、適宜の時期に中国、香港、欧米市場国に出張し、市場関係者や研究者と意見交換を行い、研究成果物の質を高める。

安定成長への円滑な移行を目指す中国における財政の役割

プロジェクトリーダー
プロジェクトの目的 中国共産党及び同国政府の「2つの百年奮闘目標(建党百周年の2021年までに“小康社会”を建設し、建国百周年の2049年までに社会主義現代化国家を建設する)」を実現するうえで重要な、財政による所得再分配機能の現状を評価し、今後の課題を検討する。
プロジェクトの概要 (1)2016年8月に公表された「中央と地方の財政権限と支出責任の分担に関する改革を推進することに関する国務院の指導意見」を切り口として、中国の公共事業等に関する中央政府と地方政府の役割分担を確認するとともに、諸統計を収集・整理し、近年、懸念が増大しつつある地方政府債務問題の現状を分析する。
(2)国有企業改革、都市化、高齢化等の課題に関する財政面の対応方針を整理・分析し、社会保障制度改革のあり方につき検討を重ねる。
プロジェクト推進に当っては、先行研究をレビューしたうえで、最近の中国における論調を丁寧に整理する。また、国内外の各種研究会に積極的に参加し、議論を深める。

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