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2018年5月11日(金)14:00~16:00 開催 場所:一橋大学 学術総合センター2階 一橋講堂(東京都千代田区一ッ橋2-1-2)

山下一仁研究主幹 講演会 「21世紀に蘇る柳田國男の農政学」

 キヤノングローバル戦略研究所の山下研究主幹が、「21世紀に蘇る柳田國男の農政学」というテーマにて、講演をおこないました。

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左から、福井理事長、山下氏

プログラム: ProgramPDF: 297KB

講演資料: 「21世紀に蘇る柳田國男の農政学」PDF: 5.52MB

講演要旨: 講演要旨PDF: 660KB


テーマ概要

 柳田國男は日本民俗学の父として知られている。その柳田は、「何故に農民は貧なりや」という問題意識の下、東京帝国大学法科大学で農業経済学を研究し、卒業後農商務省に入省し、農政に関するいくつかの著作を世に問うた。この中で、彼は、零細農耕性や高米価による保護という日本の農業や農政の問題点を指摘し、抜本的な構造改革案を打ち出した。

 これは、後に彼の著作を神田の古本屋で発見した、シュンペーターの高弟・東畑精一が、"日本経済思想史上の一つの奇跡"と呼んだほど、先進的な構想だった。しかし、その思想はあまりに時代の水準を超えていたのみならず、農業界を支配していた地主階級の利益と真向うから対立するものであったため、時の体制や学会に葬られた。こうして彼自身が農政学から民俗学に移っていったのみならず、彼の志を継ぐ俊秀たちも、やがて農業界からさえ忘れられた。

 しかし、柳田の思考は様々な課題を抱える現在の農政にも活用できる。戦後の農地改革を経て、地主階級に代わり農業界を支配するようになった勢力が、地主階級と同じような主張をするようになったため、柳田の時代から存在する問題の根本が解決されていないのである。

 もとより百年前の考え方がそのまま適用できるものではない。我々は"柳田を通じて、されど柳田を超えて"いかなければならない。そのような農政改革とは、どのようなものであるのか?これを検討したい。


山下 一仁 略歴

 キヤノングローバル戦略研究所(CIGS) 研究主幹

 1955年岡山県笠岡市生まれ。77年東京大学法学部卒業、農林省入省。82年ミシガン大学にて応用経済学修士、行政学修士。2005年東京大学農学博士。農林水産省ガット室長、欧州連合日本政府代表部参事官、農林水産省地域振興課長、農村振興局次長などを歴任。08年農林水産省退職。同年経済産業研究所上席研究員。09年キヤノングローバル戦略研究所研究主幹。

 著書に、「いま蘇る柳田國男の農政改革」新潮社18年、「2025年 日本の農業ビジネス」講談社17年、「TPPが日本農業を強くする」日本経済新聞出版社16年、「バターが買えない不都合な真実」幻冬舎16年、「日本農業は世界に勝てる」日本経済新聞出版社15年、「農協解体」宝島社14年、「日本の農業を破壊したものは誰か~農業立国に舵を切れ」講談社13年、「TPPおばけ騒動と黒幕」オークラnext新書12年、「農協の陰謀」宝島社新書11年、「環境と貿易」日本評論社11年、「農業ビッグバンの経済学」日本経済新聞出版社10年、「企業の知恵で農業革新に挑む」ダイヤモンド社10年、「亡国農政の終焉」ベスト新書09年、「フードセキュリティ」日本評論社09年、「農協の大罪」宝島社新書09年、「食の安全と貿易」日本評論社08年、「国民と消費者重視の農政改革」東洋経済新報社04年など。



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