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2015年7月16日(木)14:00~17:00開催 場所:米国 ワシントンDC

CIGS 地球温暖化 ワシントン専門家会議 「Equitable Global Low Carbon Scenario and Approach」

2015年7月16日にワシントンDCで、キヤノングローバル戦略研究所(CIGS)は地球温暖化に関する専門家会議を主催した。会議には、ワシントンDCにある主要な四つのシンクタンク、World Resources Institute (WRI)、the Union of Concerned Scientists (UCS)、Resources for the Future (RFF)、the Center for Strategic and International Studies (CSIS)から専門家が参加した。

CIGSの湯原哲夫理事が、会議の冒頭での挨拶の後に、“Globally Sharable Energy Vision against Global Warming”というタイトルでCIGSの地球温暖化抑制の世界ビジョンを紹介した。続いて、CIGSの段烽軍主任研究員が“Equitable Global Low Carbon Scenario and Approach”についての講演をおこない、CIGSの提言を詳しく説明した。その後、上記の二件の講演に関する議論が行われ、WRIとUCSの参加者もそれぞれ“Seizing the Global Opportunity”と“U.S. Low Carbon Path to 2050”というタイトルでプレゼンをおこなった。

活発な議論の中で、CIGSの提言に対する主なコメントは下記の二点であった。
①ワシントンの研究機構の参加者達は、世界温室効果ガスの長期削減パスウェーを目指す衡平的アプローチというCIGSの提言を高く評価した。非常に有用かつ興味深い結果を示したと指摘したと同時に、この研究を深化するために幾つの提案もあった。
・モデルに緩和策と適応策を同時に考慮する。
・政策パラメタ、特に原子力利用の潜在的障害と再生可能エネルギー推進のインセンティブなどを考慮する。
・ローカルスケールの削減努力を考慮する。
・最近の再生可能エネルギーコストの低下やシェールガス開発などの技術進歩によるアップデートを考えるべき。
②CIGS提言の中の国際協力による先端技術の普及は、世界温室効果ガスの長期削減に興味深いアプローチを示した。参加者達は、提案された日米中の三カ国協力を支持するが、知的財産権の問題などの幾つの課題も指摘した。

専門家の議論を通じて、幾つの共通認識が得られた。
・決まった排出パスウェーより総排出量は対策検討のベースになる。
・世界の温暖化防止対策には衡平的アプローチが望ましい。
・技術イノベーションは中核的役割を果たす。
・原子力エネルギーは必要であるが、野心的な導入シナリオに関して実施可能性の検討もしなければならない。
・天然ガスは今後10年あるいは20年の削減計画の重要な原動力になっている。これは、短期間の排出削減にポジティブの影響を与えるが、再生可能エネルギーなどへのシフトを遅延させることによって長期削減にネガティブの影響を与える可能性がある。
・会議の参加者は、世界の温暖化抑制に中国の重要な役割を注目した。中国の国内の規制基盤の構築や中国を巻き込む国際協力の進行は世界の温暖化対策に大きく影響する。
・CIGSが主催した今回の専門家会議は、非常に興味深く、魅力のある会議であり、専門家間の科学的な低炭素ビジョン形成に非常に有用である。今後の開催も期待する。

発表


  • 湯原 哲夫
    キヤノングローバル戦略研究所 理事・研究主幹
    「Globally Sharable Energy Vision against Global Warming (Summary)」
    発表資料(PDF:324KB)

  • 段 烽軍
    キヤノングローバル戦略研究所 主任研究員
    「Equitable Global Low Carbon Scenario and Approach」
    発表資料(PDF:1.6MB)