本文へスキップ

2014年5月30日(金)15:00~17:00開催 場所:キヤノングローバル戦略研究所 会議室3

CIGSセミナー「Achieving Actuarial Balance in Social Security: Measuring the Welfare Effects on Individuals(社会保障の保険数理的収支の均衡を達成するために~個人に対する厚生効果の測定~)」開催報告

CIGS International Senior Fellow、Prof. Selahattin Imrohorogluによるセミナーを行いました。

140530_imrohoroglu_photo.jpg 140530_workshop_photo.jpg 140530_workshop2_photo.jpg


発表資料(英語)
Presentation by Prof. Imrohoroglu(PDF:415KB)


開催概要
題目: 「Achieving Actuarial Balance in Social Security: Measuring the Welfare Effects on Individuals(社会保障の保険数理的収支の均衡を達成するために~個人に対する厚生効果の測定~)」
発表者: Prof. Selahattin Imrohoroglu (International Senior Fellow, CIGS / Academic Director and Assistant Dean, IBEAR MBA Program, Marshall School of Business, University of Southern California)
モデレーター: キヤノングローバル戦略研究所 研究主幹 小林 慶一郎


スピーチ概要
 連邦老齢・遺族保険および連邦障害保険信託基金(Federal Old-Age and Survivors Insurance and Federal Disability Insurance Trust Funds。以下OASDIという)の評議員会は、2013年年次報告書において、人口動態、制度関連のパラメーター、経済成長率などの様々な仮定に基づいて、無限期間におけるOASDIの保険数理的収支について評価している。中位仮定に基づいた推計では、「無限期間、社会保障を支払可能にするには、歳入の増加または現在および将来の加入者の給付額の縮小の、いくつかの組合せが必要となる。その額は、現在価値にして23兆1千億ドル、将来の課税給与の4.0%、GDPの1.4%に相当する」としている。
 政策関係者の間では、いくつかの政策オプションが提案されている。具体的には、課税所得の90%を捕捉するための課税所得上限の引上げが、保険数理的収支の改善に役立つ政策オプションとして広く議論されている。評議員会報告および課税上限引上げの議論は、政策変更による個人、世帯および企業の行動の変化を無視した計算に基づいている。しかし、仮に政策変更を行わなかったとしても、人口の高齢化は、労働参加率の変化だけでなく、所有資産の構成、ライフサイクルにおける労働時間の分布などに変化をもたらす。これらの変化は、賃金や資本収益に影響を与え、その結果、世帯の消費、貯蓄、労働参加、労働時間、保険給付請求などの行動に影響をもたらす。さらに、これから実施されるはずの政策変更によって、経済主体の行動はさらに影響を受けると考えられる。
 この論文においては、不完備市場において保険でカバーされない賃金のリスク、死亡リスク、借入制約に直面した個人を考慮した世代重複一般均衡モデルを構築した。
 我々の当面の主な目的は、高齢化の影響、および社会保障に保険数理的均衡をもたらす様々な提案の影響を評価することであった。この論文の中で、具体的には、(i)給付請求および労働参加のタイミングへの効果、(ii)退職者の消費および資産蓄積の変化がもたらす全般的なマクロ経済的効果、(iii)年齢、コホート、収入および財産の異なるカテゴリーの個人に対する厚生効果、(iv)失業保険および障害保険の加入率の将来の変化が、米国社会保障地域人口の高齢化予測に基づく退職率および労働参加率とどのように相互作用するか、を考察している。