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2013年6月24日(月)9:00~17:15 & 25日(火)9:00~13:30開催 場所:フクラシア 会議室5-L (千代田区大手町2-6-1 朝日生命大手町ビル5階)

CIGS Conference on Macroeconomic Theory and Policy 2013

2013年6月に国内外の著名なマクロ経済研究者および日本の若手研究者を集め、“Advances in Economic Theory and Measurement” というテーマの下、"CIGS Conference on Macroeconomic Theory and Policy 2013" を開催しました。

  • 6月24日、25日コンファレンスアジェンダ
    AgendaPDF:105KB


  • 発表資料及び論文


    Opening Remarks

    • Toshihiko Fukui
      President, The Canon Institute for Global Studies

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    Keynote Speech

    • 講演者:Edward C. Prescott (Arizona State University)
      テーマ:"The Goods and the Bads of the U.S. Financial System and How to Make the System Better"


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    Presentations

    • 発表者:Ramon Marimon (European University Institute)
      テーマ:"Risky Investments with Limited Commitment" (joint with Thomas Cooley and Vincenzo Quadrini)



      概要:過去30年間、英米を中心に、金融産業の拡大と金融機関の経営者報酬の高騰が続いてきた。関連して、全般的な所得格差の拡大も続いている。同時に、金融機関の組織構造は伝統的なパートナーシップから公開企業に変化している。この論文では、金融機関の組織構造の変化が、金融産業の拡大・経営者報酬の高騰・所得格差の拡大を引き起こすことを、理論モデルを使って示す。組織構造の変化は、経営者の獲得競争を激化させ、投資家と経営者の間のコミットメントを弱める。その結果、経営者は高リスクの事業に傾斜し、格差拡大などの傾向が生まれる。

      発表資料pdf:600KB   論文pdf:657KB


      Discussant: Hugo Hopenhayn (UCLA)

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      (Dr. Ramon Marimon)




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      (Dr. Hugo Hopenhayn)

    • 発表者:Timothy J. Kehoe (University of Minnesota)
      テーマ:"Global Imbalances and Structural Change in the United States" (joint with Kim J. Ruhl and Joseph B. Steinberg)



      概要:1990年代初めからアメリカは海外からの借入を増やし、同時期に、製造業での雇用を減少させてきた。本論文では、アメリカ経済を開放経済系モデルで記述し、90年代以降のSavings glut(他国が選好ショックにより貯蓄を増やす現象)や将来のSudden stop(他国がアメリカの国債購入を突然中止する現象)にアメリカの経済や雇用がどう反応するか調べた。得られた結論は、製造業雇用の減少は、生産性の上昇によるものであって、貿易収支の問題は重要ではない; 海外経済の環境がどのように変化しても、アメリカの製造業雇用は減少していくというトレンドは変わらない、ということである。

      発表資料pdf:833KB   論文pdf:1.0MB


      Discussant: German Cubas (Central Bank of Uruguay and FCS-University of Republic)

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      (Dr. Timothy J. Kehoe)




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      (Dr. German Cubas)

    • 発表者:Julen Esteban-Pretel (National Graduate Institute for Policy Studies)
      テーマ:"Labor Market Policies in a Dual Economy" (joint with Sagiri Kitao)



      概要:メキシコのように、通常部門(formal sector)と地下経済(informal sector)が半々の割合で存在する国において、労働市場についての政策がどのような影響を与えるか理論的に分析した。失業保険の導入は失業率にはほとんど影響を与えないが、通常部門から地下経済に労働力を移動させる。解雇補償金を導入すると、通常部門の賃金が下がり、失業者→通常部門への雇用の流入が減るが、一方で通常部門→失業の流れも減るので、通常部門の大きさは変化しない。労働所得税を消費税に変更すると、通常部門の労働者が大きく増加し、国富が増え、社会厚生が改善する。

      発表資料pdf:169KB   論文pdf:678KB


      Discussant: Gary D. Hansen (UCLA)

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      (Dr. Julen Esteban-Pretel)




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      (Dr. Gary D. Hansen)

    • 発表者:Karen A. Kopecky (FRB of Atlanta)
      テーマ:"Old, Sick, Alone and Poor: A Welfare analysis of Old-Age Social Insurance Programs" (joint with R. Anton Braun and Tatyana Koreshkova.)



      概要:健康悪化、巨額の救急医療費や長期介護費、配偶者の死亡が高齢者の貧困化を引き起こす主要因である。本論文では、これらの事実に合った世代重複モデル(OLGモデル)を作成し、アメリカにおける社会保障制度とミーンズテスト付きの社会保険との比較を行った。退職者に対するミーンズテスト付きの社会保険があれば、これから生まれてくる世代は大きなベネフィットを受けることが分かった。また、それがあれば、社会保障制度(Social Security)は廃止する方が望ましい。また、ミーンズテスト付きの社会保険のサイズは、アメリカの現状においてほぼ適正なサイズであることも分かった。

      発表資料pdf:371KB   論文pdf:450KB


      Discussant: Sagiri Kitao (City University of New York)

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      (Dr. Karen A. Kopecky)




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      (Dr. Sagiri Kitao)

    • 発表者:Ellen R. McGrattan (FRB of Minneapolis)
      テーマ:"On Financing Retirement with an Aging Population" (joint with Edward C. Prescott)



      概要:高齢化が進む国(アメリカなど)において、賦課方式から積立方式に公的年金を変更することが必要だと主張される。このとき、問題となるのは、積立方式にしても十分な収益率を確保できる投資機会が存在しないのではないか、という点である。しかし、二つの理由でこの問題は解決できる。ひとつは、ブランドなどのintangible な資産を資本に計上すれば、通常の経済分析で仮定されているよりも倍以上の資本ストックが存在しているので投資対象に事欠かないこと。ふたつめは、資本所得税を廃止すれば、企業の価値が上昇するので、投資対象が十分に増えることである。積立方式に公的年金を変更することによって、すべての世代の厚生が改善するといえる。

      発表資料pdf:181KB   論文pdf:180KB


      Discussant: Selahattin Imrohoroglu (USC Marshall School of Business & CIGS)


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      (Dr. Ellen R. McGrattan)




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      (Dr. Selahattin Imrohoroglu)

    • 発表者:Fumio Hayashi (Hitotsubashi University & CIGS)
      テーマ:"A Regime-Switching SVAR Analysis of the Zero-Interest Rate Policy" (joint with Junko Koeda)



      概要:金融政策について平常レジーム(政策金利がプラス)とゼロ金利レジームを中央銀行が選択する構造Vector Autoregressive Model (SVAR)で、ゼロ金利時代の日本経済を推計した。その結果、①ゼロ金利下での銀行の準備預金の増加は、インフレ率と生産量を増加させる、②ゼロ金利を解除することは必ずしもデフレ的ではない(2006年7月にゼロ金利を解除していなかったら、デフレがより深くなっていた可能性がある)、ということが示された。

      発表資料pdf:1.3MB   論文pdf:1.8MB


      Discussant: R. Anton Braun (FRB of Atlanta & CIGS)

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      (Dr. Fumio Hayashi)




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      (Dr. R. Anton Braun)

    • 発表者:Francisco J. Buera (UCLA)
      テーマ:"Liquidity Traps and Monetary Policy: Managing a Credit Crunch" (joint with Juan Pablo Nicolini)



      概要:生産性が異なる企業家が共存する経済で、金融危機時の金融政策の効果を分析する。企業家は担保制約で借り入れを制限されていて、金融危機は担保制約が厳しくなることとしてモデル化される。金融危機に政策が反応しない場合、大きなデフレがごく短期間だけ発生し、厳しい不況が起きる。インフレターゲットを採用する場合、(デフレは起きず)実質金利は抑制され、経済は「流動性のわな」に一時的に陥る。この場合、金融危機は相対的に軽度の不況をもたらすが、景気回復には時間がかかる。

      発表資料pdf:310KB   論文pdf:353KB


      Discussant: Pedro Silos (FRB of Atlanta)

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      (Dr. Francisco J. Buera)




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      (Dr. Pedro Silos)

    • 発表者:Keiichiro Kobayashi (CIGS & Keio University)
      テーマ:"Deflation and debt: A neoclassical framework for monetary policy analysis"



      概要:価格の硬直性に依存する金融政策分析は、長期デフレ下の日本などの分析に適さない。価格に硬直性がないモデルで、①プラスのインフレが最適状態となり、②フィリップスカーブ(インフレと生産量の正の相関)が再現でき、③金利引き下げが景気刺激効果を有するモデルを考案する。このモデルでは、生産要素購入の支払いにおいて、貨幣と信用を併用できると仮定している。さらに信用が担保制約で制限されていると仮定すると、上記の①②③の特徴が再現できるので、(価格硬直性ではなく)信用制約の変動が金融政策の有効性をもたらす。このモデルを使うと、デフレと金融危機と通常の景気循環がひとつの枠組みでシームレスに分析できると考えられる。

      発表資料pdf:118KB   論文pdf:173KB


      Discussant: Juan Pablo Nicollini (FRB of Minneapolis)


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      (Dr. Keiichiro Kobayashi)




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      (Dr. Juan Pablo Nicollini)

    • 発表者:Makoto Nakajima (FRB of Philadelphia)
      テーマ:"Monetary Policy with Heterogeneous Agents" (joint with Nils Gornemann and Keith Kuester)



      概要:家計に様々な異質性(就業/失業の別、労働所得、貯蓄額などについて)がある場合に、金融政策がどのような効果を持つか、New Keynesianモデルで分析した。その結果、金融政策が持つ再配分効果は非常に大きいことが分かった。金融引き締めを行った場合、上位5%の富裕層は所得と効用が増加するが、残りの95%は所得と効用が減少する。したがって、金融引き締めのネガティブな効果は(家計の異質性を考慮に入れると)従来考えられていたよりも大きいと考えられる。

      発表資料pdf:717KB   論文pdf:430KB


      Discussant: Shuhei Takahashi (Kyoto University)

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      (Dr. Makoto Nakajima)




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      (Dr. Shuhei Takahashi)