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2011年1月7日(金)13:30-20:00開催 場所:キヤノングローバル戦略研究所 会議室

「経済ネットワーク」研究会

世界金融危機は,企業や銀行など世界中の経済主体がつながっていることを改めて我々に教えてくれました。本研究会では、このような「つながり」をネットワークという視点でとらえ議論することを目的とし、ネットワーク構造が経済に与える影響とその政策含意について最先端の研究成果を若手研究者7名に報告してもらいました。

開会挨拶

  • キヤノングローバル戦略研究所理事長 福井 俊彦

研究成果発表 第一部

  • 発表者:藤原 義久 京都大学総合人間学部非常勤講師/ATR客員研究員
    「信用ネットワークとシステミックリスク」

  • 発表者:佐藤 彰洋 京都大学大学院情報学研究科数理工学専攻 助教
    「外国為替市場のネットワーク的可視化と状態計量」

研究成果発表 第二部

  • 発表者:飯野 隆史 新潟大学大学院自然科学研究科 博士課程
    「企業間取引ネットワークのコミュニティ・サブコミュニティ構造」

    東京商工リサーチ社の企業間取引ネットワークデータに対してコミュニティ解析を行い、取引の活発な地域・業種等の企業集団を抽出する。 さらにコミュニティ内のサブコミュニティ構造に着目し、その関係性を評価することで、産業構造の理解に繋げる。

  • 発表者:三浦 航 東京工業大学大学院総合理工学研究科 修士課程
    「企業間取引ネットワークを再現する確率成長モデル」

    自然界や社会に現れるネットワークは大抵の場合複雑であり、それらの多くは次数分布がベキ分布に従うスケールフリー性として知られる性質を持つ。企業間のお金の流れを見たネットワークもスケールフリー性を持つ複雑ネットワークとなるが、そのスケールフリー性がどのような過程から生成されるのかということに関しては知られていない。本研究では企業間取引ネットワークのモデルを構築し、企業間ネットワークの生成の過程を明らかにする。また企業間取引ネットワークにおいて、お金の流れと物の流れは非対称な関係にある。構築 したモデルを改良しシミュレーションを行うことで、こうした性質の原因も説明できることを示す。

  • 発表者:渡邊 隼史 東京工業大学大学院総合理工学研究科 博士課程/日本学術振興会特別研究員
    「複雑ネットワークの輸送とZipf's則」

    企業ネットワークや一般の複雑ネットワーク上の相互作用のある輸送現象はどのよ うな性質をもつのか。 我々は企業信用情報の実データ解析をもとに、 3種類の単純な輸送ルールを提案し、そのそれぞれルールを用いて、日本企業の約100万社の取引ネットワークと人工的なスケールフリー性をもつランダムネットワーク上で輸送シミレーションをおこなった。 その結果、取引関係のある企業同士の売り上げの積に比例したお金の流れを想定した場合の定常分布が、現実企業の売上分布をよく再現できることを報告した。また、提案モデルの性質とこれまで物理学で研究されてきた注入凝集系の性質との類似性を議論した。

研究成果発表 第三部

  • 発表者:大西 立顕 CIGS研究員/東京大学大学院経済学研究科 特任研究員
    「企業間取引の有向ネットワーク構造」

  • 発表者:水野 貴之 CIGS研究員/一橋大学経済研究所科学研究費研究員
    「企業成長のダイナミクスとネットワーク」

    • 帝国データバンクの企業信用調査報告書を用いて約70万社間の企業間取引ネットワークについて分析を行い、ネットワークと企業成長の関係について報告をした。

総括

  • 渡辺 努 CIGS研究主幹/一橋大学経済研究所教授