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2017.08.22

来年の経済成長率は投資拡大を背景に本年を上回る可能性 ~日本企業の対中ビジネスは引き続き好調持続~<北京・武漢・上海出張報告(2017年7月16日~29日)>

  • 瀬口 清之
  • 研究主幹
    瀬口 清之
  • [研究分野]
    中国経済・日米中関係

◇ 本年2Qの実質GDP成長率は前年比+6.9%と、前期と同じ伸び率となった。引き続き各コンポーネントとも安定保持が確認された

◇ 本年下期は固定資産投資全体の伸びの緩やかな鈍化傾向が続くが、来年については緩やかな低下傾向が続くとの見方と緩やかな回復に転じるとの見方に分かれている。

◇ 3月の全人代で決定された本年のGDP成長率目標「6.5%前後」をクリアすることは確実視されている。一部には先行きの景気過熱リスクを懸念する見方がある。

◇ 1~2級都市では不動産購入制限および住宅ローン借入制限が厳しく実施されたため、不動産販売額の伸びが大幅に低下した。不動産投機資金は新たな投資対象を求めて不動産購入規制・住宅ローン借入制限の厳しい1~2級都市から制限の緩い2~4級都市に向かい、一部の2~4級都市で不動産販売が拡大した。

◇ 3~4級都市の不動産在庫の減少が順調に進んでいるため、来年以降不動産投資の伸び率が回復する可能性を指摘する見方もある。

◇ 民間設備投資は、本年入り後、輸出の回復、企業収益の好転、インフラ建設分野における民間企業の新規参入の拡大等を背景に民間企業経営者の先行きの経済に対する展望が明るくなった。それを反映して民間設備投資が回復傾向を示している。

◇ 先行きの景況感好転の背景には、過剰設備の削減や不動産過剰在庫の減少により経済全体の需給バランスが改善し、様々な産業分野で販売価格が上昇し、企業利潤が増大したことが影響している。すなわち、構造改革の成果が顕在化した結果として民間設備投資が回復したと見ることができる。

◇ 本年入り後、生鮮食品の宅配サービス、飲食店の出前サービスの利便性向上が急速に進んだことに加え、農村部でのeコマースサービス提供拠点が急増している。これらの消費関連サービスの向上が新たな需要を掘り起こし、eコマースの消費拡大を促進し、消費の下支えとなった点が指摘されている。

◇ 武漢市は近年の急速なインフラ整備により、武漢市の交通・物流の要衝としての重要性がますます高まっている。加えて、企業誘致を最重要プロジェクトとして掲げ、優良企業の誘致に注力している。新たなモデル産業発展区の「長江新城」を建設し、先端製造業と良質なサービス業が融合し発展する産業集積の構築を目指す。


来年の経済成長率は投資拡大を背景に本年を上回る可能性 ~日本企業の対中ビジネスは引き続き好調持続~<北京・武漢・上海出張報告(2017年7月16日~29日)>PDF:569.1 KB

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