本文へスキップ

2015.02.23

2015年の中国経済は下振れリスクもあるが、基本的には安定を持続<北京・上海出張報告(2015年1月26日~2月6日)>

  • 瀬口 清之
  • 研究主幹
    瀬口 清之
  • [研究分野]
    中国経済・日米中関係

◇ 2014年の実質成長率は7.4%。2015年は7%前後と見られており、7.0~7.1%との見方が平均的。2015年も固定資産投資の伸び鈍化傾向は続くが、消費と外需はほぼ前年並みに推移すると見られているため、経済は良好な状態を維持する見通し。

◇ 最近は固定資産投資や不動産開発投資の中味に対する当局の監督・管理が強化されていることから、過剰設備や不良債権を生むような非効率な固定資産投資のウェイトが低下するなど、成長の質は改善方向に向かっている。

◇ 本年の成長率見通しにおいて最大の下振れリスクは地方財政の財源問題である。その主な要因は、不動産の需要減少・価格下落による税外収入の減少、金融当局による融資プラットフォーム向け銀行貸出の選別・抑制強化などである。

◇ 投資の伸び鈍化による成長率の下振れを下支えしているのは、堅調を維持している消費である。とくに最近のネット消費の伸びは急速である。昨年の消費額全体のうち約10%がネット消費であり、その伸び率は50%前後に達した。

◇ 2014年の不動産開発投資は前年比+10.5%と、前年(同+19.8%)の伸びを大幅に下回った。しかし、2014年秋以降、不動産販売面積の減少に歯止めがかかり、本年入り後、1級都市の不動産価格は上昇に転じた。2級以下の都市でも不動産価格の下落幅は着実に縮小してきている。ただし、全体の回復速度は緩やか。

◇ 2015年全体の成長率を展望すれば、上半期が低く、下半期にかけて高まっていくと見られている。政府内部にも成長率の下振れリスクを懸念する見方があることから、上半期には景気下支えのためのミニ刺激策が実施される可能性が高い。

◇ 前回10月末の出張から3か月の間に習近平主席の政治基盤が安定感を増し、党内の実権をほぼ掌握したような印象を受けた。このような政治基盤の安定化を背景に、これまで進捗の遅れが目立っていた重要改革が加速し始めていると見られている。

◇ 昨年11月に日中首脳会談が実現したことを機に、徐々に日中関係は改善に向かっている。ただし、改善方向を示す事例と中国政府の依然として慎重な姿勢を示す事例が混じり合っており、日中関係全体としてはまだら模様の状態が続いている。

◇ 日中関係の緩やかな改善テンポとは対照的に中国人訪日客は激増し続けている。

◇ 日中首脳会談実現後も表面上は対中投資動向に大きな変化は見られていない。しかし、個別企業に対中投資姿勢について質問すると、最近の社内の検討の結論として、今後対中投資姿勢を積極化させる旨回答した企業が増えてきている。


2015年の中国経済は下振れリスクもあるが、基本的には安定を持続<北京・上海出張報告(2015年1月26日~2月6日)>PDF:316.8 KB

同シリーズコラム

同シリーズコラムをもっと見る

瀬口 清之 その他コラム・メディア掲載/論文・レポート

瀬口 清之 その他コラム・メディア掲載/論文・レポートをもっと見る

海外情報・ネットワーク その他コラム・メディア掲載/論文・レポート

コラム・論文一覧へもどる