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2013.10.15

オバマ政権第2期のアジア太平洋外交と新時代の日米中関係<米国出張報告(2013年9月19日~10月5日)>

  • 瀬口 清之
  • 研究主幹
    瀬口 清之
  • [研究分野]
    中国経済・日米中関係

◇ 安倍政権が4月に国会で行った歴史認識に関わる答弁が一時懸念された。しかし、その後、安倍総理自身も靖国参拝を見送るなど、波風を立てない、賢明な姿勢を保持し続けていることが安倍政権の外交姿勢として受け止められ、高い評価を受けている。

◇ これに対して、歴史認識問題や慰安婦問題に関して、日本に対する厳しい発言が目立つ韓国政府の姿勢は度が過ぎているとの批判的な意見が強まってきている。

◇ 自民党が7月の参議院選挙に大勝したことによって国会のねじれ現象が解消したとともに、安倍政権の長期化も固まった。これにより政権運営の基盤が強化され、安定的に政策運営が行われる条件が整ったことが評価されている。

◇ 安倍政権が憲法改正および集団的自衛権行使の承認に向けて動いていることについては、集団的自衛権行使の承認については賛成する意見が殆どだったが、憲法改正をせずに憲法解釈の修正によって承認することが望ましいとの見方が多い。

◇ 東京五輪成功のためには、東アジア地域内の摩擦の解消が必要であること、そのために若い世代の交流促進が有効であるとの筆者の見方に多くの強い支持が得られた。

◇ シリア、イランを巡る中東情勢の重大な変化を背景に、オバマ政権の外交は中東問題に力点を置かざるを得なくなっている。オバマ政権は2011年秋以降、アジア重視の姿勢を強調しているが、その具体化が難しくなりつつある。しかし、米国の外交姿勢としてアジア重視の基本的な考え方は今後も変わることはなく、アジア重視戦略の柱として、経済政策であるTPPの実現を目指すと見られている。

◇ 最近米国民が内向き志向になっているのは、国内の与野党対立を背景に、予算執行停止問題等国内経済問題に関心が集まっていることに加えて、イラク戦争・アフガニスタン紛争後の厭戦気分の高まりがその傾向に拍車をかけていると見られている。

◇ 最近中国が主唱する「新しい大国関係」という考え方について、中国が戦争を回避し、平和的な発展を目指すという意味であれば評価できる。しかし、中国の周辺海域から米国を排除し、南シナ海、東シナ海の問題に対して米国は干渉するべきではないと主張するのであれば、許容することはできないと見られている。

◇ 緊迫した状況が続いている尖閣周辺の状況について、ある専門家が以下のような提案を行うことを示唆した。すでに一国の実効支配が成立している地域の接続水域に頻繁に他国の公船が接近することは、偶発的な武力衝突に発展するリスクを含め、安全保障上好ましいことではない。そこで南シナ海、東シナ海の関係国に米国も加わって、そうした行為を繰り返さないことを求める共同宣言を発表してはどうか。


オバマ政権第2期のアジア太平洋外交と新時代の日米中関係<米国出張報告(2013年9月19日~10月5日)>PDF:436.8 KB

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