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2013.07.04

「東京=ケンブリッジ・ガゼット:グローバル戦略編」第51号(2013年7月)

小誌は大量の資料を網羅的かつ詳細に報告するものではない-筆者が接した情報や文献を①マクロ経済、②資源・エネルギー、環境、③外交・安全保障の分野に関し整理したものである。紙面や時間の制約に加えて筆者の限られた能力という問題は有るが、小誌が少しでも役立つことを心から願っている。

  • 栗原 潤
  • 研究主幹
    栗原 潤
  • [研究分野]
    米国情報・ネットワーク

 6月初旬にドイツで催された国際会議に出席したが、恥ずかしながら日本に居る時には筆者が普段注意を払わない視点を認識した。それは英国の中国専門家、ウィリアム・キャラハン教授がご著書(China: The Pessoptimist Nation, Oxford University Press, 2010)の中で指摘された視点だ--「極東の現況・歴史に関し、国際的に共有される認識が日本の"外"で形成されつつある」、と。即ち、世界で活躍する中国人と付き合う欧米人は、歴史を含む日中関係を親しい中国人から直接聞いて、独自の対日イメージを抱き始めているのである。

 次に、李克強首相訪独直後だったためか、対中外交に関するEUの中心が、「EU本部が在るブラッセルからドイツの首都ベルリンに移るかも知れない("Berlin may be replacing Brussels in a German Europe")」との見解が広まっていた--欧州危機以降、浸透しつつあるこの視点("Just as China is a rising global power, so Germany is a rising power within Europe")にご関心のある方は、例えば欧州外交評議会(EFCR)のハンス・クンナニ氏の論文("China and Germany: Why the Emerging Special Relationship Matters for Europe," May 2012)を参照されたい。

 また中国・欧州間の価値観の同異に触れて、筆者は①"the Rule of Law"に関してはマックス・ヴェーバーの『儒教と道教(Konfuzianismus und Taoismus)』を、②コミュニケーションの大切さに関しては、ヘルマン・ヘッセの『ガラス玉遊戯(Das Glasperlenspiel)』を引用した。そうした理由は、発表時間が限られていたが故に、聴衆の教養に頼りつつ簡潔な発言を心掛けたからであった。嬉しいことに発表後、何人かのドイツの紳士から優しい言葉を頂いた--①「ヴェーバーの名前を見るまで、現代中国を研究するドイツ人が達した結論だと勘違いしておりました」、と。また②「あなたのお蔭で、美しいドイツ語の小説を思い出すことが出来ました」、と。かくして筆者は今、日中関係における"グローバリゼーションの深化"を実感している。


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「東京=ケンブリッジ・ガゼット:グローバル戦略編」第51号(2013年7月)PDF:361.6 KB

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