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2012.02.01

「東京=ケンブリッジ・ガゼット:グローバル戦略編」第34号(2012年2月)

小誌は大量の資料を網羅的かつ詳細に報告するものではない。ハーバードにいる一研究者である筆者が接した情報や文献を①マクロ経済、②資源・エネルギー、環境、③外交・安全保障の分野に関し整理したものである。紙面や時間の制約に加えて筆者の限られた能力という問題は有るが、小誌が少しでも役立つことを心から願っている。

  • 栗原 潤
  • 研究主幹
    栗原 潤
  • [研究分野]
    米国情報・ネットワーク

 昨年末から年初にかけて数多くの米国の友人が来日した。なかでも①プリンストン大学のアーロン・フリードバーグ教授、②日米韓議員交流会議のコーディネータ役を長年務めるヘンリー・ナウ氏、③ハーバードの友人であるジェイ・ローゼンガード氏、そして④MITスローン・マネジメント・レヴュー特別栄誉教授のマイケル・クスマノ氏には、我が研究所(CIGS)で意見交換の時間を割いて頂き、また政治経済全般に関し日本に対する率直な意見を、グラス片手に聞くことが出来た。

 周知の通り、全般的趨勢として日米の知的情報交換は質量共に衰退の一途を辿っている。日本国際交流センター(JCIE)が昨年発表した資料によれば、2009年に日米関係に関する研究を実施した米国のシンクタンクは10機関。米韓関係を研究した7機関を辛うじて上回るものの、米中関係を研究した22機関と比べて寂しさは拭えない。10年前に日米関係を研究していたシンクタンクが20機関であるから、米国との知的対話に関し、日中両国は21世紀に入り完全に逆転した感がある。また2007~09年に訪日した米国連邦議員数は14人で、10年前(1997~09年)の50人と比べ大幅な減少だ(因みに同じ期間中、訪中した議員数は31人)。そして最新情報によれば、米国連邦議員の訪日が今後更に減るという。勿論、日米間の誤解が解消し、信頼関係が確立して頻繁な直接対話が不要になった結果、減少するのならば問題ない。が、情報交換の質が低いが故に、米国議員が"訪日しても実りある知的対話が期待出来ない"と判断していたとしたら問題だ。こうしたなか筆者は小誌第20号で触れた国際通貨研究所(IIMA)の行天豊雄理事長の言葉を思い出している--「外国の影響力のある人、企業のトップの人が日本に近年来なくなった」という日本経済新聞の記者の発言に対し、行天氏は「日本に来ても面白くない、エキサイティングでない、役に立たない、ビジネスでも儲からない。理由ははっきりしている」と。かくして日米を中心として国際的な知的対話が質量共に劣化しているなか、筆者は回転の遅い自らの頭で、諸方策を毎日練り直している。

 幸いにも筆者は頭の回転の速い内外の友人に恵まれており、未来は明るい--日米中を巡る国際関係ではフリードバーグ教授等と共に、またグローバル化を念頭にしたハイテク企業戦略論ではクスマノ教授等と共に、直接的・多層的かつ双方向で継続的に高い水準の知的対話を目指す予定である。・・・



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「東京=ケンブリッジ・ガゼット:グローバル戦略編」第34号(2012年2月)PDF:314.3 KB

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