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2011.10.14

最近の日米中関係について<米国出張報告(2011年9月18日~9月30日)>

  • 瀬口 清之
  • 研究主幹
    瀬口 清之
  • [研究分野]
    中国経済・日米中関係

◇ 来年は主要国が新政権に移行し、2013年春以降、国際政治は新たな局面に入る。野田新政権としてはその新たな局面入り以降の国際政治情勢を展望して、日本が目指す国家ビジョン、外交の基本方針、重視する重要施策を明確に示すことが必要である。それを踏まえて、日米関係の新たな展望を開いていくことが期待される。

◇ オバマ大統領の支持率は低下傾向を辿っており、仮に今すぐ大統領選挙が行われれば、オバマ大統領が再選される可能性は半分以下であると言われることが多い。今後欧州の金融不安が第2のリーマンショックとなるような事態になれば、世界経済および米国経済に深刻な悪影響が及ぶことは避けられず、オバマ大統領の再選はさらに厳しいものとなることが予想されている。

◇ 最近、オバマ大統領がダライラマとの面談を実施したほか、台湾への武器売却も公表した。中国政府はいずれに対しても厳しく批判するコメントを発表したが、昨秋来の米中関係改善傾向への目立った悪影響は確認されていない。

◇ 米国政府では中国との外交交渉を行うに際して、政府内関係部門が横断的に協力し、多角的な情報を総合的に分析し、中国政府の考え方を冷静に判断して交渉に臨んでいることが良い結果を生んでいると考えられている。

◇ 軍事力の増強とナショナリズムの高まりを背景とする中国の脅威拡大に対処するために対中国防衛力を増強すべきであるという単純な議論が多い。米国内でこうした立場に立つ論者の多くは中国の内部事情をあまり良く理解していない場合が多い。日米両国は中国の国内事情を把握し、それを踏まえて中国政府との対話を通じて、平和安定的な秩序維持に向けての努力を継続していくべきである。

◇ 昨年9月の尖閣諸島における中国漁船衝突事件以降、日中双方とも同海域における監視体制を強化しており、緊張は高まる方向にある。仮に不測の事態が再び生じた場合に備えて、日米両国は外交、防衛双方のルートで事前に対応策を練っておくことが重要である。それと同時に、日中間でも外交、防衛双方のルートで安定的なコミュニケーションルートを確保し、不測の事態が生じた際に備えて、事前に様々なケースを想定して対応を協議しておくことが重要である。


最近の日米関係について<米国出張報告(2011年9月18日~30日)>PDF:373.5 KB

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