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2010.07.26

最近の日米中関係について<米国出張報告(2010年5月24日~6月3日)>

  • 瀬口 清之
  • 研究主幹
    瀬口 清之
  • [研究分野]
    中国経済・日米中関係

 今回の出張では普天間基地移設問題および韓国哨戒艦沈没問題を中心に、日米中関係について外交・安全保障問題の専門家等の方々と意見交換を行いました。その中で興味深いと思われた見方につき以下の通り整理しましたのでご報告します。


 <報告の主なポイント>

○ 韓国哨戒艦への攻撃は金正日総書記の意に反して勝手に行われたと考えるのが自然であるという見方と金正日総書記自身が指示した可能性が高いとの見方に分かれている。また、今回の事件を起こした北朝鮮の意図がわかってない。

○ もし今回の事件が金正日総書記の指示によるものではない場合、問題はより深刻である。それは北朝鮮軍の指揮命令系統を金正日総書記が掌握できていない可能性があることを意味するからである。それは次に北朝鮮軍が何をするかが予測できない極めて危険な状態にあるということである。

○ 今回の事件では日本が韓国の対応を強力に支持しており、日米韓3国が安全保障の分野で明確な協力体制をとるのは初めてのことである。米国は日本の姿勢を高く評価している。これに対し、中国はどういう立場を採るべきか迷っていると見られている。北朝鮮擁護の立場をとることが中国の国際的な評価や米中関係等重要な外交関係に影響することを懸念している。

○ 普天間基地移設問題に関し、沖縄県民の不満が十分に解消されるためには、これまでの議論の前提条件となっている日米防衛協力の枠組み自体を見直すことが必要である。そうした見直しを前提とする1つの抜本的な解決策は、自衛隊による米軍沖縄海兵隊の代替である。一方、沖縄県内に代替基地を設けることなく、単に普天間を閉鎖することも可能であるとの異なる立場の見方もある。

○ 自衛隊が海兵隊を代替し、東アジアの安全確保を日米協力により実現することができれば、沖縄県民の負担が軽減され、抑止力が強化されるとともに、日本に対する世界の評価は確実に改善する。しかし、このアイデアについては、①憲法9条との関係、②周辺国の反発と軍備拡張競争を加速させるリスク、③海兵隊の機能低下とコスト負担増を嫌う米国国防総省の反対の可能性といった問題点が指摘されている。

○ 今後の日米関係をより対等な関係に近づけること考えれば、第1に、日本として集団的自衛権の行使を承認し、米国だけが片務的に日本防衛の責任を負う関係を解消すること、第2に、米軍が日本国内に基地を保有するだけの関係から、日米両国がグローバルな問題の解決についてより密接に協力し合う関係にシフトすべきである。

最近の日米中関係について<米国出張報告(2010年5月24日~6月3日)>PDF:375.3 KB

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