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2010.05.12

中国内陸部における産業集積の形成<中国出張記録 2009年12月7~11日>

  • 瀬口 清之
  • 研究主幹
    瀬口 清之
  • [研究分野]
    中国経済・日米中関係
<報告の主なポイント>
○ 重慶市、湖北省(省都=武漢市)、広西壮(チワン)族自治区(区都=南寧市)の地域経済はいずれも世界経済減速の影響は軽微で、第2四半期以降順調な景気拡大基調に復している。

○ 重慶と武漢(南寧を除く)では足許の生活物価の上昇を背景に、来年の物価上昇が懸念されているほか、不動産価格の上昇テンポも加速している。

○ 重慶市は「西部デルタ」経済圏構想(重慶-成都-西安)と両行新区構想の2つの発展戦略に支えられているが、いずれも現時点ではまだ具体的な内容に乏しい。

○ 重慶市管轄下の江津区では、高速道路建設による交通・物流の利便性向上を背景に最近急速に工業化が進展している。これまで同区では広東省等への出稼ぎによる人口の流出超が続いていたが、今後は同区内の工場労働者増加に伴う流入増が予想されている。こうした内陸部における新たな雇用創出は、将来出稼ぎ労働者を減少させ、沿海部における労働力需給の逼迫を招く可能性がある。

○ 武漢市周辺は2012年頃までに高速鉄道網がほぼ整うほか、長江沿岸の港湾設備の取扱量も増大することから、今後その利便性向上を前提に、新たな投資の増大が産業集積形成を促進することが期待できる。

○ 広西北部湾経済圏の港湾設備は来年以降徐々に竣工していくが、中央政府からの命令で一部鉄鋼関連インフラの建設が停止している。

○ 来年1月には中国-アセアン間の自由貿易協定がスタートする。南寧市はその往来の中核拠点となるが、アセアン経済、とくに隣接地域のベトナム、カンボジア、ミャンマー等の経済発展段階がまだ低いため、貿易・投資関係の拡大に伴う経済効果は、少なくとも今後数年はそれほど大きな規模にはならないと見られている。

中国内陸部における産業集積の形成<中国出張記録 2009年12月7~11日>PDF:464.1 KB

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