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2010.03.22

最近の日米中関係について<米国出張報告(2010年2月22日~3月4日))>

  • 瀬口 清之
  • 研究主幹
    瀬口 清之
  • [研究分野]
    中国経済・日米中関係

 今回の出張ではオバマ政権のアジア外交チームとも一定のコネクションを持つ対中、対日外交の専門家を中心に10数名と意見交換を行いました。その中で興味深いと思われた米国の見方につき以下の通り整理しましたのでご報告します。

 <報告の主なポイント>

○ 最近米中間の摩擦が増えているが、両国間では引続き相互理解が維持されており、米中関係は基本的に良好な状態が続いているというのが米国の中国専門家の間でのほぼ一致した見方である。

○ 最近の米中間の摩擦増大の背景には両国の国内政治情勢が影響していると見られている。オバマ大統領も胡錦濤主席も国内の政治基盤が脆弱であるため、外交面においては国民に対して決然とした姿勢を示すことによって、政権の存在感をアピールしようとしている。

○ 共和党は民主党の政策運営をことごとく妨害することだけを考えている。その結果、オバマ政権は米国にとって必要な政策について議会承認を得ることが極めて難しい状況に陥っている。

○ 日本との外交については米国内での関心は低下したままである。したがって、日米関係の悪化を心配しているのはそれに詳しい人たちに限られており、一般の米国民は沖縄普天間基地をめぐる問題が生じていることすら知らないというのが実態である。

○ 普天間問題は本来、日米同盟全体から見れば小さな問題である。すでに昨秋までの自民党時代に約13年半の長期にわたって店晒しにされていた問題であることを考慮すれば、これが民主党政権成立後の短期間の間に日米関係に深刻な影響を与えるとは考えにくい。

○ 米軍再編問題は政治問題となっている。普天間基地の移設案に修正を加えると面倒な政治問題が再燃する可能性が高いため、原案を変更したくないというのが米国の本音である。こうした米軍内のポリティックスが足かせになって、米国が柔軟な対応を採ることができない状況にある。

○ オバマ政権は日米関係をバイラテラルな関係からグローバルな協力関係へと発展させたいという基本方針を持っている。その意味で、オバマ政権は日米関係を良好で協調的なものにするチャンスである。

最近の日米中関係について<米国出張報告(2010年2月22日~3月4日))>PDF:387.4 KB

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