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2017.07.14

忖度のメカニズム

共同通信より配信

 最近、政府の行動にまつわるさまざまな問題が相次いで起こっている。財務省による私立森友学園への国有地の低価格での売却、文部科学省から大学等への組織的な天下り、同省による道徳教科書検定に関する問題等である。

 これらの問題には共通の背景があるように思われる。政府が特定の分野について強い権限を持ち、しかもその権限の行使に裁量性がある、ないしは裁量性があると関係者によって見られていることである。

 天下りの問題を例にとると、全体として規制緩和が進む中で、文部科学省は大学を含む学校の所管官庁として、それらに対する強い権限を保持している。さらに近年、予算配分について大学の間に「メリハリ」を付けることが行われるようになっている。「メリハリ」自体は望ましい面があるが、問題は、それが同省の裁量の幅を広げていることである。

 特定の案件について権限を持つ政府部局に大きな裁量の幅があると、権限を行使される側に、権限とは直接関係しない案件についても、その部局に悪く思われたくないという意識が生じる。そこでさまざまな案件についてその部局の意向を尊重する行動がとられることになる。これが一連の問題でキーワードとなっている「忖度」のメカニズムである。

 このような問題を避けるためには、権限を持つ政府部局が、権限を恣意的に行使しないことに、信頼に足る形でコミットする必要がある。すなわち、単にそのことを表明するだけでなく、そうすることが政府部局の誘因に合致するような仕組みを用意する必要がある。

 例えば、政策決定プロセスを透明化するとともに、決定を独立の第三者機関に完全に委任することが有効と考えられる。



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