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2014.02.17

公的債務に天井はあるか

日本経済新聞 「経済教室」2014年2月14日掲載

 消費税の引き上げが迫り、景気への影響が心配されている。消費増税は財政をいくぶん改善するが、巨大な公的債務残高に比べ、その効果は小さい。今回は消費税と、それによって支えることができる公的債務の大きさの関係について考える。

 一般に、税率を上げすぎると税収が減るという関係が、あらゆる税について成り立つと考えられてきた。ラッファー・アソシエーションのアーサー・ラッファー会長は1974年、税率と税収の関係は図(上)のラッファー曲線のようになると主張した。

 例えば労働所得税で考えると、税率が低いうちは税率を上げるにつれ税収は増える。しかし、税率を上げすぎると、賃金の大半を税として取られてしまうので、労働者はバカバカしくなって働かなくなり、賃金所得が減る。課税ベースが減るので税率を上げても税収は減る。つまりラッファー曲線は逆U字型になるのである。税率の上昇が労働者の意欲を低下させるなどして実体経済を悪化させることを「税のゆがみ」という。

 これが正しければ、どのような課税政策をしても政府が得られる税収には上限がある。したがって税収で支えられる公的債務の規模にも上限があるはずだ。また、税収は経済の規模以下になるのが当然で、税収に上限があるのも当たり前のように思える。

 しかし近年、実はこの想定が消費税については当てはまらないかもしれないことを示唆する研究が出てきた。・・・


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日本経済新聞 「経済教室」2014年2月14日掲載

■参考論文 奴田原 健悟主任研究員

ワーキング・ペーパー(13-007E) 「Laffer Curves in Japan」

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