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2013.11.22

戦後農政の大転換「減反廃止」は大手マスコミの大誤報

Diamond Online に掲載(2013年11月13日付)

 大手のマスコミがこぞって「減反廃止」を報道した。だが、戦後の農政の中核であった減反の廃止=高米価政策の転換が本当なら、農村や農協はハチの巣をつついたような騒ぎになっているはず。それが起こらないのはなぜか。今回の報道は減反政策の理解不足に端を生じた誤報だからである。農水省が打ち出そうとしている新たな政策は、むしろ減反の強化につながる。これでは、米価の引き下げも、主業農家への農地の集積・大規模化も実現しない。

■なぜ農村も農協も平穏なのか

 主要紙を含め、マスコミが一斉に"減反廃止"を報道した。

 しかし、私は著名な経済学者や官僚OBの人から、「あの報道は本当なのですか?戦後農政の中核である減反・高米価政策が簡単になくなるとは、思えない。株式会社の農地取得ですら認めない農政が、減反の廃止を進んで提案するなんて信じられません」と、質問攻めにあった。

 私の答えはこうだ。「その通りです。マスコミ報道は完全に間違っています。皆さんの直感の通りです。食管制度が廃止されたのは、ガット・ウルグァイ・ラウンド交渉があったからです。これだけの大転換を行うには相当な環境変化がなければなりません。そんなものは、今ありません。TPPでコメの関税は撤廃しないというのだから、減反を廃止して米価を下げる必要はありません。実は、減反は廃止するどころか、強化されます。一連の報道は、減反の本質が何かを全く知らないために起こった誤報です」。私の説明に彼らは肯いた。

 戦後の農政は、農産物、特にコメの価格を高く維持することで農家の所得を守ろうとしてきた。これを戦後最大の圧力団体であるJA農協が強力にバックアップしてきた。

 周知のようにJA農協は経済・信用(金融)・共済(保険)の3事業を総合的に行っている。経済事業は組合員(農家)の生産物の販売、肥料や農薬などの供給を行う事業である。このため米価を上げることで、これと比例する農協のコメ販売手数料収入も増加した。高米価の下で、コストの高い零細な兼業農家もコメを作り続けた。農地が出てこないので主業農家の規模拡大・コストダウンは進まず、コメ農業は衰退した。・・・


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