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2013.06.25

長期デフレ 解明は途上-金融政策には限界も―

日本経済新聞 「経済教室」2013年6月17日掲載

 日本ではなぜ長期にわたりデフレが続いてきたのだろう。今も様々な説が提示されているが論争に決着はついていない。既存理論では説明しきれない部分も多いためだ。
 例えば「デフレ期待が自己実現的にデフレを生む」という説がある。「今後も物価が下がる」という期待があると、消費や投資を先延ばしするのでモノが売れなくなり、現実に物価が下がる、という考え方である。しかし、10年以上のデフレをこの説で説明するには、実は困難がある。

 長期デフレの成功条件の一つは「貨幣量が将来的に減少する」という予想である。貨幣が減ると財・サービスの価値が貨幣に比べて低下し、デフレが起きる。これは19世紀の古典的なデフレだ。ただ、日銀がお金の供給をいくらでも増やせ、実際に一時期を除き増やしてきたのでそうした予想があったとは考えにくい。
 米ニューヨーク大学のジェス・ベンハビブ教授、米コロンビア大学のステファニ・シュミット•グロー教授らの2002年の研究はデフレ期待説を厳密に理論化し、ゼロ金利下で長期デフレが発生することを示した。ただ、この論文でも貨幣数量(原論文では政府債務)は減少し続けるとされている。つまり、古典的なデフレと実態は同じである。・・・



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日本経済新聞 「経済教室」2013年6月17日掲載PDF:466.0 KB

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