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2012.11.22

「約束の限界」認識を

日本経済新聞 「経済教室」2012年11月19日掲載

 最近の世界の金融危機、政府債務危機、高齢化に伴う財政問題に共通する要因は、政府や銀行などの「コミットメント(約束)能力の欠如」が露呈し、コンフィデンス(信任)が崩壊した、ということであろう。債務者が民間でも政府でも返済の約束が実行されない可能性がある、という当然の事実が改めて意識され、取引相手を信じ任せる、という通念は崩壊した。

 コミットメントの欠如は、以前から様々な経済問題の要因として経済学的分析の対象だった。代表例はゲーム理論の「囚人のジレンマ」である。取り調べにあった2人の囚人が「互いに協力して黙秘」か「相手を裏切り自白」かを、それぞれ独立に選ぶ。図では、相手がどちらを選ぼうと自分は裏切りを選ぶ方が得だから、結局、2人とも裏切りを選び、5の利得を得る。しかし事前に「協力」を約束し、それを守る能力があれば、2人とも利得10というより良い状態が実現するだろう。・・・


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日本経済新聞「経済教室」2012年11月19日掲載記事PDF:160.1 KB

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