外交・安保カレンダー(10月23-29日)

先週末の衆院選では自民党が追加公認を含め公示前と同じ284議席を獲得、29議席の公明党と合わせ313議席となり、与党で衆院の3分の2を維持した。一方、立憲民主党は15議席から55議席を獲得し野党第1党に躍進したのに対し、希望の党は50議席にとどまった。要するに、大山鳴動して鼠一匹ということか。

今回の選挙は誤算の連続だった。第一の誤算は安倍首相の解散決断だったはずだが、これは第二のより深刻な誤算、すなわち小池都知事の「排除」と「都知事続投」発言に救われた。第三の誤算は民主党参議院幹部の「再結集」発言だったが、これも希望の党の低迷と立憲民主党の大躍進で帳消しとなった。

今回の総選挙の開票速報はウクライナの首都キエフで見ていた。この原稿は帰国前の経由地ミュンヘン空港で急いで書いている。それもこれも、すべてインターネットのお蔭ではあるのだが、一昔前ならとても考えられなかった。実に有り難いことである。

一方、CNNなどは日本の与党の地滑り的勝利を淡々と報じていた。やはり、選挙区ごとの勝敗とそれに伴う喜怒哀楽に関する報道では日本のメディアに一日の長がある。やはり、選挙の雰囲気を知るには現地での取材に勝るものはないだろう。

今回の選挙をマクロで見れば、与党で3分の2という大勢に変化はない。強いて言えば、躍進したとはいえ、リベラルと左派が立憲・共産・社民の55+12+2で70にも満たない勢力となったことぐらいだろうか。これまで左右混淆の民主党によりリベラルと左派が過大評価されてきた状況は変わりつつあるのか。

今回気の毒だと思ったのは、突然の解散と新党結成で判断を誤り、もしくは他に方法がなく、落選していった前議員先生方である。落ちるべくして落ちた人もいるだろうが、そうでない人々も少なくない。だから政治は恐ろしいのだとつくづく思うのだが、皆さんはどう思われるだろうか。

〇欧州・ロシア
先週は英国、ルーマニア、ウクライナに出張した。EU離脱で揺れる英国、逆に2004年以降EUとNATO加盟を果たし存在感を高めるルーマニア、どう考えても当面EUにもNATOにも加盟できそうもないウクライナ、という訳で状況は三者三様だ。欧州知識人のアジア音痴は仕方がないにしても、彼らの中国を見る目は当分変わりそうもない。

〇東アジア・大洋州 
本稿執筆時点で中国共産党党大会の人事は発表されていない。恐らく発表は最終日の24日になるだろう。されば、共産党人事の話は来週にしよう。在韓米軍の米軍家族など非戦闘員の退避訓練が注目されているが、こうした訓練自体は毎年やっているはず。注目点は今年どれだけ「真剣に」やるかだろう。

〇南北アメリカ
トランプ氏は相変わらずツイートしまくっている。トランプ氏弾劾はいつかという質問をよく受けるが、冷静に考えると、弾劾や辞任はそう簡単な話ではない。そもそもトランプ氏の違法行為はまだ見えない。トランプ陣営のハードコア支持層は盤石だ。4年どころか、二期目もあり得るかもしれない。

〇中東・アフリカ 
シリアのラッカが陥落した。しかし、これでISが消失するわけではない。アサド政権はラッカ制圧で「米国はラッカの街を消失させた」と批判したそうだが、では、1982年2月にシリアのハマーという街で起きた大虐殺は一体誰の仕業なのか。少なくともアサド政権にそのような批判は絶対にできないはずだ。

〇インド亜大陸
特記事項なし。今週はこのくらいにしておこう。

9-27日 万国郵便連合管理理事会(ベルン)
16-26日 国際原子力機関(IAEA)の海洋モニタリング専門家が訪日
16-11/10日 第121回自由権規約人権委員会(ジュネーブ)
17-25日 JENESYS2.0及び日中国交正常化45周年記念事業で、2017年度中国高校生訪日団第2陣が訪日
17-28日 東アジア地域包括的経済連携(RCEP)第20回交渉会合が開催(インチョン)
18-26日「日蘭平和交流事業の開催」で元抑留民間オランダ人を招へい
20日か23日 ロシア1-8月貿易統計発表
22-25日 ベルギー経済使節団がコートジボワールを公式訪問
22-28日 対日理解促進交流プログラム・日本青少年訪韓団が訪韓
22-29日 対日理解促進交流プログラム・中国青年メディア関係者代表団が訪日
23日 EU雇用、社会政策、健康及び消費経済審議会(ルクセンブルク)
23日 米シンガポール首脳会談(ワシントン)
23日- 日・スウェーデン社会保障協定(仮称)第3回政府間交渉の開催(ストックホルム)
23日か24日 ロシア9月雇用統計発表
23-24日 ASEAN国防相会議(ADMMプラス)(フィリピン・クラーク)
23-25日 第58回海外日系人大会の開催(東京)
23-25日 包括的核実験禁止条約機関(CTBTO)準備委員会作業部会A及び非公式・専門家委員会第52回会期(ウィーン)
23-26日 欧州議会本会議(ストラスブルーグ)
23-27日 在韓米軍兵士の家族らの退避訓練
23日-11月22日 第14期第4回ベトナム国会
24日 ギリシャ外相がトルコを訪問(アンカラ)
24日 第19回中国共産党大会閉幕(北京)
24日 EU運輸・通信・エネルギー委員会(ルクセンブルク)
24日- 米大リーグ・ワールドシリーズ
24-25日 ブラジル中央銀行、金融政策委員会(Copom)
24-31日 対日理解促進交流プログラム・インドの大学生が訪日
25日 中国共産党第19期中央委員会第1回総会(北京)
25日 メキシコ・ペニャ・ニエト大統領がブラジルを初訪問
25日 メキシコ8月小売・卸売販売指数発表
26日 ケニア大統領選再投票
26日 メキシコ9月貿易統計発表
26日 セミナー「日EU経済連携協定(EPA):今後の展望」(ブリュッセル)
26日 欧州中央銀行(ECB)定例理事会(独フランクフルト)
26日 タイ・ラーマ9世前国王の火葬(バンコク)
26-27日 WTO一般理事会(ジュネーブ)
26-11月9日 第331回国際労働機関(ILO)理事会及びその委員会(ジュネーブ)
27日 米国第3四半(7-9月)期GDP(速報値)発表(商務省)
27日 ロシア中央銀行理事会
28日 アイスランド議会選挙
28日 台湾総統が南太平洋のマーシャル諸島、ツバル、ソロモン諸島3カ国歴訪
28日- プロ野球日本シリーズ
29日 アルゼンチン上・下院選挙
29日 欧州各国が冬時間入り
29日 長野・山口市長選挙
29-31日 APEC林業担当相会合(韓国・ソウル)

<10月30日-11月5日>
30日 米の9月個人所得・支出
30-31日 外務省と大分県が共催で駐日各国大使の大分県の地方視察を実施
30日-11月3日 第35回ハバナ国際見本市「FIHAV 2017」(ジェトロがジャパンパビリオンを設置)
30日-11月14日 第39回ユネスコ(UNESCO)総会(パリ)
30日-11月17日 第212回国際民間航空機関(ICAO)理事会(モントリアール)
31日 EU9月失業率発表(EU統計局)
31日 EU7-9月期のGDP速報値の発表(EU統計局)
31日 10月の中国製造業購買担当者景況指数(PMI)発表(国家統計局)
31日 ブラジル9月全国家計サンプル調査発表
31日 ファルコン9(通信衛星Koreasat 5A)の打ち上げ(ケープカナベラル空軍基地)
31日 国連環境計画(UNEP)常駐代表委員会第140回会議(ナイロビ)
31日-11月1日 米国連邦公開市場委員会(FOMC)
31日-11月7日 対日理解促進交流プログラム・タイ、ラオス及びミヤンマーから訪日
31日-11月17日 第120回国際麻薬統制委員会(ウィーン)
10月中 米国半期為替報告書発表
10月中 レバノン大統領がイランを訪問
10月下旬 第8期第4回ラオス国民議会
10月下旬 ミノタウロスC(スカイサット6機)(ヴァンデンバーグ空軍基地)
11月1日 ブラジル9月鉱工業生産指数発表
3日 米9月貿易収支、10月雇用統計発表
3日 CIS首相会議(ロシア・カザン)
3日 長征3B(航法測位衛星第三世代北斗2機)の打ち上げ(四川省西昌衛星発射センター)
3-14日 米・トランプ大統領が日本、韓国などアジア諸国を歴訪
5-6日 G7保健相会合(イタリア・ミラノ)
5-6日 APEC最終高級実務者会合(CSOM)(ダナン)
5-7日 APEC第4回ビジネス諮問委員会(ABAC)(ダナン)

(宮家邦彦 キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)

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