外交・安保カレンダー(9月25日-10月1日)

今週のハイライトは何といっても衆議院解散だろう。振り返ってみれば、昨年の伊勢志摩サミットに出席した7人の首脳の内、既に4人が職を離れている。最初がEU離脱で躓いたキャメロン英首相、オバマ大統領は任期満了だったが、同じく国民投票に失敗したレンツィ伊首相、再選を諦めたオランド仏大統領だ。

残っているのは、若いトルドー加首相を除けば、メルケル独首相と安倍総理だけ。そのメルケル首相は先週の総選挙で辛うじて第一党の座を維持したが、今後の連立政権作りは難航しそうだ。10月には日本でも総選挙がある。有権者の反応も複雑ではなかろうか。偶然とはいえ、時の流れを感じざるを得ない。

一方、最近北朝鮮情勢が何か変だ。先日は国連で北朝鮮外相が、「誇大妄想で独りよがりな精神的に錯乱した人物が核のボタンを持つことこそ国際平和と安全に対する重大な脅威」とトランプ氏を批判。これに対し、同氏は「彼がチビのロケットマンの考えに同調するなら両者とも遠からず姿を消す」とツイート。

これに対し北朝鮮の外相は、「明白な宣戦布告」であり、「今後、米国の戦略爆撃機が我が国の領空に入っていなくても、撃墜を含むあらゆる自衛的な対応を取る権利がある」と述べたそうな。典型的な売り言葉に買い言葉だが、単なる口喧嘩にしては大人げがない。こういう時は往々にして誤算が生じるものだ。


〇欧州・ロシア
25日に英国のEU離脱問題に関する交渉が再開される。同日にはフランスの労働者が再びストライキをやるそうだ。27日には仏伊首脳会談、28日にはロシアとトルコの首脳会議がアンカラで開かれる。個人的にはこのプーチンとエルドアンの会合が気になる。狐と狸の化かし合いだが、結果は要注意だ。

〇東アジア・大洋州 
23日から米商務長官が訪中する。これも北朝鮮がらみだろうが、その北朝鮮は25日から国際貿易見本市を平壌で開催する。更に、26日からは中露海軍が日本海とオホーツク海で共同軍事演習を行うという。関係国が合理的な判断を下し続ける限り、大事には至らないだろう。怖いのはやはり誤算である。

〇南北アメリカ
先週トランプ氏が「各チームのオーナーはプロフットボールNFLの試合前に国歌斉唱で起立しない選手たちを解雇し、ファンは試合をボイコットすべきだ」と発言。これに、オーナー連と選手会は、「大統領の無神経で攻撃的発言は米国の理念に反する」と猛反発した。トランプ節は今も健在である。

〇中東・アフリカ 
25日にイラク・クルド地域で住民投票がある。独立を目指すというが、一体何を考えているのか。独立問題は古くて新しい問題だ。特に若いクルド人は独立も可能だと考えるのかもしれない。しかし、クルドを巡る国際戦略環境は甘くない。イラク・クルドの独立は地域の微妙な政治的均衡を破壊するだろう。

〇インド亜大陸
25日に米国防長官が訪印する。過去数年間、軍事面での米印協力は進んでおり、米国の強い意欲が感じられる。今週はこのくらいにしておこう。

19-25日 第72回国連総会一般討論演説(ニューヨーク)
19-26日 対日理解促進交流プログラム「日ASEAN学生会議」の実施
19-28日 対日理解促進交流プログラム「未来につなぐ環境プロジェクト-福島の再生可能エネルギー事業に学ぼう-」韓国の大学生等が訪日(福島県)
20-29日 対日理解促進交流プログラム・日本大学生訪韓団が訪韓
20-29日 対日理解促進交流プログラム・韓国大学生訪日団が訪日
21-27日 対日理解促進交流プログラム・韓国青年訪日団(第5団)が訪日
23-27日 北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉第3回会合開幕(カナダ・オタワ)
24-27日 英国労働党大会(ブライトン)
25日 イラク・クルド自治区で分離独立を問う住民選挙
25日 IAEA理事会(ウィーン)
25日 日・フィリピン経済協力インフラ合同委員会第3回会合を開催
25日か26日 米・スペイン首脳会談(ワシントン)
25日か26日 ロシア8月雇用統計発表
25-26日 日・バーレーン投資協定交渉第2回会合を開催(東京)
25-26日 日・ジョージア投資協定交渉第1回会合を開催(東京)
25-28日 欧州議会委員会会議(ブリュッセル)
25-26日 G7産業・デジタル担当相会合(イタリア・トリノ)
25-29日 国連人権理事会第18回「人権と多国籍企業及びその他の企業の問題」に関するワーキンググループ(ジュネーブ)
26日 国連総会「核兵器の全面的廃絶のための国際の日」(ニューヨーク)
26日 佐藤外務副大臣が総理特使としてアンゴラ大統領就任式に派遣
26日 メキシコ8月雇用統計発表
26-28日 WTOパブリックフォーラム(スイス・ジュネーブ)
26-29日 APEC女性と経済フォーラム(ベトナム・フエ)
27日 外務省と群馬県の共催で駐日各国外交団の群馬県視察ツアーを実施
27日 メキシコ8月貿易統計発表
27日 インラック前タイ首相に対する最高裁判決
27-28日 人身取引世界行動計画の評価に関する総会ハイレベル会合(ニューヨーク)
27-29日 日・トルコ経済連携協定(EPA)交渉第7回会合(東京)
28日 米国第2四半期GDP(確定値)発表
28-29日 G7科学相会合(トリノ)
29日 日中国交正常化45周年
29日 ブラジル8月全国家計サンプル調査結果発表
29日 ドイツ8月労働市場統計発表
29日 日中国交正常化45周年
29日 プロトン(通信衛星アジアサット9)の打ち上げ(カザフ・バイコヌール宇宙基地)
30日 9月中国製造業・非製造業PMI(国家統計局)
30日 アリアン5(インテルサット37eとBSAT 4a)の打ち上げ(仏領ギアナ基地)
30日 長征6(吉林一号)打ち上げ(山西省・太原衛星発射センター)
30日-10月1日 外務省企画「草の根・人間の安全保障無償資金協力」写真展を開催(お台場センタープロムナード)
30日-10月1日 G7労働相会合(トリノ)
9月下旬 フランス2018年政府予算案・社会保障会計法案発表
1-4日 英国保守党大会(マンチェスター)
1-8日 中国国慶節、中秋節休暇


<10月2-8日>
2日 ユーロスタットが8月失業率発表
2日 ファルコン9(通信放送衛星SES11/エコースター105)(ケネディ宇宙センター)
2日か3日 ロシア第2四半期需要項目別GDP統計(速報値)発表
2-5日 欧州議会本会議(ストラスブール)
3日 ブラジル8月鉱工業生産指数発表
3-5日 世界液化石油ガス(LPG)フォーラム(モロッコ・マラケシュ)
3-6日 韓国秋夕(旧盆)休暇
4日 ファルコン9(イリジウム・ネクスト)(ヴァンデンバーグ空軍基地)
5日 米国8月貿易統計発表
5日か6日 ロシア9月CPI発表
6日 米国9月雇用統計発表
6日 ブラジル9月IPCA発表
6-7日 APEC第10回交通相会合(パプアニューギニア・ポートモレスビー)
6-28日 サッカーU17W杯(インド)

(宮家邦彦 キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)

« 外交・安保カレンダー(9月18-24日) | トップページ | 外交・安保カレンダー(10月2日-8日) »

« 外交・安保カレンダー(9月18-24日) | トップページ | 外交・安保カレンダー(10月2日-8日) »