外交・安保カレンダー(6月12-18日)

11日の仏総選挙の結果が出揃った。マクロン新大統領が率いる新党がこれほど勝つと一体誰が予想しただろうか。既存政党では社会党が後退、共和党が伸び悩み、ポピュリスト政党が大敗した。世界はこれを如何に分析すべきなのか。今週の焦点もやはり欧州ポピュリズムの行方である。

第1回投票でマクロンの新党がこれだけ勝つとは正直思わなかった。得票率は、共和国前進・民主運動が32.2%、共和党・民主独立連合他右派が21.5%、ルペンの国民戦線が14%、服従しないフランスが11%、社会党が10.2%、その他3.3%、共産党と緑の党がそれぞれ3%。有権者には選択肢が少なかったということか。

もう一つ、特記すべきは棄権の高さだ。棄権投票率は5割を超える。有権者はマクロン派勝利は不可避で投票は無駄と考えたのか、それとも、様々な選挙にもう飽き飽きしたのか、判らない。しかし、これだけ大勝すれば、逆にマクロンを見る目は厳しくなるだろう。ふと、東京都議会選挙のことを考えてしまう。

〇欧州・ロシア
総選挙といえば、6月8日、英国ではメイ首相率いる保守党が過半数を割り、北アイルランド保守政党との連立を模索。メイ首相は政権を続けるつもりのようだが、本当にこれで済むのだろうか。保守党内でメイ降しが起きなければ不思議であり、仮に彼女が続投するなら保守党に未来はないかもしれない。詳細は今週の週刊新潮を!

〇東アジア・大洋州
10日から自民幹事長が訪韓する。このような形で対話を行うことは結構だが、今の韓国とは劇的な関係改善は難しいだろう。もう一、二世代かかっても不思議ではない。徐々にしか進展しそうにないし、急ぐ方がババを引くことにもなりかねない。日韓双方とも忍耐が必要らしい。困ったことだが、仕方ないか。

〇中東・アフリカ 
先週最もびっくりしたのはテヘランでイスラム国の大規模テロが起きたことだろう。尤も、イスラム国がイランを狙う理由は山ほどある。これまで侵入を許さなかったのが不思議なのかもしれない。イスラム国側は、イランの次に狙うのはサウジとしているが、サウジよりも、湾岸GCC諸国の小国の方が危ないかもしれない。大変心配だ。

〇南北アメリカ
6日のコウミー元FBI長官による公聴会証言に大爆弾はなかったが、また外堀が一つ埋まったというイメージだ。トランプ氏は相変わらず強気だが、一体いつまでこんな泥仕合を続けるつもりだろう。前回書いたように、共和党の議員が中間選挙でトランプと共に戦うか、トランプ抜きで戦うかの判断が焦点となる。戦いは今後も続く。

〇インド亜大陸
特記事項なし。今週はこのくらいにしておこう。

6-15日 JENESY2017(韓国教員訪日団)が訪日
10-13日 二階自民党幹事長が特使として韓国を訪問
11-12日 G7環境相会合(イタリア・ボローニャ)
12日 インド4月鉱工業生産指数発表
12日 EU農水相理事会(ルクセンブルク)
12-15日 米シャノン国務次官が日韓を訪問
12-15日 欧州議会本会議(ストラスブール)
12-16日 国際原子力機関(IAEA)理事会(ウィーン)
12-16日 国連世界食糧計画(WFP)執行理事会年次総会(ローマ)
13-16日 国連児童基金(UNICEF)執行理事会年次総会(ニューヨーク)
13日 ブラジル4月月間小売り調査発表
13-14日 WTO知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(TRIPS)理事会(スイス・ジュネーブ)
13-14日 米国連邦公開市場委員会(FOMC)
14日 米国5月消費者物価指数(CPI)、小売売上高統計発表
14日 中国5月固定資産投資、社会消費品小売総額発表
14日 ソユーズ2.1a(ISS無人補給機プログレスMS6)の打ち上げ(バイコヌール宇宙基地)
14-17日 国際農業祭(ニュージーランド・ハミルトン)
15日 EU域内の一時的な越境移動に伴うローミング課金の廃止
15日 ユーログロープ(非公式ユーロ圏財務省会合)(ルクセンブルク)
15日 核兵器禁止条約の制定を目指す国連会議(ニューヨーク)
15日 PKO協力法成立から25年
15日 長征4B(硬X線宇宙望遠鏡他)(甘粛省・酒泉衛星発射センター)
15-18日 第31回国際旅行フェア(香港)
15-21日 皇太子さまが「日デンマーク外交関係樹立150周年」の記念行事に臨むためにデンマークを訪問
16日 EU雇用・社会政策・健康・消費者問題担当相理事会(ルクセンブルク)
16日 ロシア中央銀行理事会
16日 CIS経済理事会(モスクワ)
16日か19日 ロシア第1四半期経済活動別GDP、1~5月鉱工業生産指数発表
16日 ユーロスタットが5月CPIを発表
16日 EU経済・財務省(ECOFIN)理事会(ルクセンブルク)
16-18日 第2回アジアインフラ投資銀行(AIIB)年次総会(韓国・済州)
16-18日 第15回エネルギー産業国際展示会(パキスタン・カラチ)
17日 国際労働機関(ILO)理事会および委員会(ジュネーブ)
18日 フランス国民議会(下院)選挙(決選投票)
18日 アルバニア議会選挙
18日 ファルコン9(通信衛星ブルガリアサット1)(ケネディ宇宙センター)
18-19日 APEC持続可能な観光に関するハイレベル政策円卓会議と関連シンポジウム(ベトナム・ハロン)

【来週の予定】
19日 EU外相理事会(ルクセンブルク)
19日 EU環境相理事会(ルクセンブルク)
19日 パナマ大統領が米国を訪問(ワシントン)
19-22日 欧州議会委員会会議(ブリュッセル)
20日 EU一般問題理事会(ルクセンブルク)
21-22日 G7運輸相会合(イタリア・カリャリ)
21日か22日 ロシア1~4月貿易統計発表
21-23日 経済社会理事会(ECOSOC)本会期(人道問題分野)(ジュネーヴ)
22日 欧州中央銀行(ECB)一般理事会(フランクフルト)
22-23日 欧州理事会(ブリュッセル)
23日 沖縄慰霊の日
23日 メキシコ4月小売・卸売販売指数発表
23日 PSLV-XL(地球観測衛星)の打ち上げ(サティシュ・ダワン宇宙センター)
23日か26日 ロシア5月雇用統計発表
24日 パプアニューギニア国会議員選挙
25-27日 セーフティートレードショー2017(ニュージーランド・オークランド)

(宮家邦彦 キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)

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