外交・安保カレンダー(7月20-26日)

先週のイラン核交渉最終合意はイランの粘り勝ちに終わった。前回筆者は、「悪魔は詳細に宿る可能性が高い」と述べたが、どうやら詳細を見るまでもなく、米側は足元を見られてしまったらしい。オバマ政権の米国「実力以下」外交は今も健在だ。

先週欧州中銀総裁は「ギリシャがユーロ圏のメンバーであり続けることにつき疑問が生じたことは一度もない」と述べた。やはり、EUは対ギリシャ支援を続けるだろう。問題はギリシャがEU内二級国家になる気がないことだ。欧州の衰退は続くのか。

〇欧州・ロシア
20日にギリシャが今度は国債償還で欧州中銀に対し35億ユーロの返済期限が来る。毎週のように支払い期限が来るが、本当に大丈夫なのか心配になる。一方、20-24日には米国を含むNATO7カ国が黒海で第15回Sea Shield合同演習を行う。

この明らかにロシア海軍を念頭に置いた演習にはルーマニア、ブルガリア、オランダ、ポルトガル、トルコに加え米国とギリシャが参加する。米国は20日にもウクライナとRapid Tridentという共同軍事演習を行う。NATOの対ロシア懸念は消えそうもない。

〇東アジア・大洋州
20-24日にニュージーランド首相が訪中し、21-26日には台湾の李登輝元総統が訪日する。20日からミャンマーでは11月8日の総選挙の候補者リストの提出が始まる。24日からマウイ島でTPP交渉が再開される。この貿易交渉そろそろ潮時となるか。

〇中東・アフリカ
イラン核問題の最終合意には今後も紆余曲折があるだろう。特に、米議会での動きは要注意だが、米国内政の現状に鑑みれば、ここで最終合意を覆すのは至難の業だろう。それではイスラエルやサウジの巻き返しはどうか。これも容易ではなさそうだ。

〇アメリカ両大陸
今週は米キューバ国交回復がある。米国では先週共和党の大富豪・トランプ氏が案の定舌禍事件を起こした。ベトナム戦争の英雄だった共和党マケイン上院議員は捕虜だったからと茶化したらしい。政治を理解できないトランプ氏の先が思いやられる。

〇インド亜大陸
21日に英印両空軍が10日間の予定で共同演習を英国で行う。今週はこのくらいにしておこう。

7月20日 EU外相理事会(ブリュッセル)
20日 ギリシャ、ECBへ約35億ユーロの返済期限
20日 ギリシャの銀行が3週間ぶりに営業再開
20日 米キューバが大使館を相互設置
20日 東芝が第三者委員会調査報告書の要約版を公表
20-22日 黒田東彦日銀総裁がタイを訪問
20-24日 第8回日中韓自由貿易協定(FTA)交渉会合(局長/局次長会合)(北京)
20日-9月4日 大陸棚限界委員会第38回会期(ニューヨーク)
21日 ブルンジ大統領選
21日 東芝が不適切会計問題で会見
21日か22日 ロシア1~5月貿易統計発表
21-26日 李登輝台湾前総統来日
22日 第3回日米サイバー対話(都内)
22日 経済財政諮問会議(首相官邸)
22日か23日 ロシア6月雇用統計発表
22-25日 国際健康・医療機器展(SISDAK)(ダカール)
23日 ブラジル6月月間雇用調査発表
23日 油井亀美也さん搭乗のソユーズ宇宙船打ち上げ(カザフスタン)
23-25日 ホンジュラス大統領、台湾訪問
24日 EU経済・財務相(ECOFIN)理事会(ブリュッセル)
24-26日 世界起業家サミット2015(ナイロビ)
24-26日 日本祭り2015「Festival do Japao」(サンパウロ)
24-27日 環太平洋連携協定(TPP)首席交渉官会合(米ハワイ州マウイ島)
25日 ブルンジ上院選
26日 エジプト革命記念日

【来週の予定】
27日-8月14日 拷問禁止委員会第55回会期(ジュネーブ)
28-29日 米国FOMC
28-29日 ブラジル中銀、Copom
28日-8月1日 台北コンピュータアプリケーション見本市
29日 第12回日本カンボジア官民合同会議
30日 米国第2四半期GDP発表(速報値)
31日 ユーロスタット、6月失業率発表
31日 ロシア中央銀行理事会
31日-8月2日 2015国際ダイエットエキスポ(ソウル)
7月中 IMF世界経済見通し発表
7月中 WTOバリ合意の作業計画提出期限
7月中 インド・モディ首相がウズベキスタン訪問

(宮家邦彦 キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)

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